新型コロナウィルス感染拡大での雇用調整助成金(Part5)

新型コロナウィルスでの「雇用調整助成金」の使い勝手については、相変わらず不評です。本ブログでもずっと書いてきましたが、政府はこれまで幾度も条件の緩和や書類の簡素化を発表してきましたが、そのほとんどが功を奏していないようです。また、直近ではオンライン申請(5/20正午からスタート予定だった)も打ち出しましたが、始めてすぐにシステムトラブルにより延期となり今日現在も復旧ならずです。

あちこちで言われていることですが、そもそもこの「雇用調整助成金」をコロナという非常時に救済ツールとして使うこと自体に無理があったように思います。「雇用調整助成金」は各種ある助成金の中で設計としては非常に完成度が高いものだと思います(厚労省の優秀さがアピールされているのか・・・・・???)。しかし、この国内すべての企業の生き死にがかかる非常時に使うには向いていないどころか、結果、罪深いものなる危険性があることは、ハナから判っていてもよさそうなものです。

2008年のリーマンショック時に使われ、その際に今回のような問題にならなかったのは、リーマンの時に大きく被害を受けたのは大企業であり(勿論、中小も受けましたが今回ほどではない)、大企業では社員に休業手当を支払い、その支払った事実を基に助成金申請し、国からの支給を待つまでの体力があったからです。

そう、この「雇用調整助成金」は先に従業員に休業手当を支払い、後に国から支給されるものなのです。中小(零細)企業にはそんな体力は無いところが大方です。そこにきて、作成書類が煩雑となると今の状態は最初から予想できたのではないでしょうか。

「雇用調整助成金」は現下のような非常時には機能しない、そして機能しないまま時間だけが経過し、ただでさえ瀕死の中小企業に決定的なダメージをもたらす結果になります。

ここ数日で自粛要請緩和が進みつつあり、商売再開のニュースが多く報道され始めまています。安倍総理の会見でも”新しい生活様式”に向けて商売も知恵を絞ってほしい、とのことでした。それはそうなのですが・・・・・・コロナに「雇用調整助成金」を使ったという国の見通しの甘さ・・・・・・そして、今後、商売再開が進むにつれて、よもや、この失態が無かったことのようにされるのではないか・・・・・・という何とも言えない気持ち悪さを感じます。

コロナは第2波、第3波があるかもしれません。すでに沢山の事業が倒れてしまいました。ですが、せめて今からでも急ぎ救済の手を尽くしてください。国に切望します。

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