9/6 午前3時8分頃、北海道胆振地方を震源とする最大震度7の地震が発生し、発生直後に何と!北海道全域が停電する事態となりました。”ブラックアウト”と呼ぶそうです。
この地震そしてブラックアウトについての道内各地の被災状況は、各メディアで報道されているように、亡くなられた方、負傷された方が多く出てしまったことに胸が締め付けられます。心よりのお見舞いを申し上げます。
また、建物の倒壊などにより、避難所での生活を余儀なくされている方々の一日も早い日常生活の再開を切に願っています。
震災当日、大都市札幌もブラックアウトになり、全交通機関がストップしました。
翌日以降、少しずつ復旧しましたがすべての復旧には数日を要しました。
週明けの9月10日は札幌の停電は既に解消されていたため、弊所には顧問先企業様数社から同じ内容の質問が寄せられました。
”自然災害により出勤できない場合欠勤控除してもよいのか”という主旨のものです。
労働基準法第26条では、「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は休業期間中、当該労働者に対しその平均賃金の6割以上の手当を支払わなければならない」と規定しています。
では、今般の地震による停電そして全交通機関がストップという事態は”使用者の責に帰すべき事由”にあたるのでしょうか?
使用者(会社)の責任ではありませんね。
であれば、賃金支払いの大原則である「ノーワークノーペイ」の考えに従うことになります。
ですが、今回のように全交通機関がストップの事態に、このノーワークノーペイの原則を使うことに少し抵抗がありませんか?
社員は電車が動いていないから出勤できなかったのであって、勝手に休んだわけではないからです。
確かに、全信号が消えている危険な道を車や自転車で出勤した人もいるようですが、そうした手段を使えない人もいたわけです。
また、今般のケースでは、事前にとか早めにとか会社が社員に休みを指示することもできませんでした。
とすれば、どうしたらよいのでしょう?
法律的にはノーワークノーペイが正しいわけですが、控除しないことも多いのです。
会社として大事なポイントは、社員間の不公平感を持たせない対応が望ましいといえます。
ちなみに、出勤した社員に会社命令で早く上がりなさいという場合は、賃金保障の対応となり、また、就業規則に天変地異による交通遮断休暇を特別休暇として有給となるなどの定めをしている場合もありますが、これも会社が指示をして休みであることを伝えたときだけです。
今日現在まだ余震が続いていますし、計画停電を避けるための節電が奨励されています。私たちの生活における電気の重要さを痛感しています。いつやって来るかわからない自然災害、この度の震災を教訓としていけたらと思っています。